【『旅情』を感じる名曲個人的No.1】 America / Simon & Garfunkel
Simon & Garfunkel - America - YouTube
ここのところかなりマイナーどころばかり取り上げてましたので、大御所を。
ここのところ日本各地を転々としているのですが、そんな旅路の帰り道、どうしても聞かずにはいられないのが、この曲。
恋人とアメリカ横断の旅をしたときの情景を歌ったものですが、日暮れ時にバスや電車に揺られながらこのフェード・インのイントロを耳にすると、それだけでたまらない気持ちになります。
歌詞を読んでから聴くと、これがまた泣けるんですよ。
「僕たち恋人同士になろうよ。僕らのたくさんの幸運を結婚させていっしょになろう」
「僕はちょっとした財産をこのバッグの中に持っているんだ」
そして僕らは一箱のタバコとミセス・ワグナーのパイを買って
アメリカを探すために歩き始めた
「キャシー」ピッツバーグでグレイハウンドに乗り込みながら僕は言った
「今じゃミシガンに行った時のことが夢のようだよ」
サギノーからヒッチハイクで四日もかかっちゃったんだ
僕はアメリカを探すために行ったんだ
バスの中の笑い声
ゲームをしている人たちの顔
あのギャバジン・スーツの人はスパイよと彼女は言った
「気をつけて、彼の蝶ネクタイはホントはカメラなんだ」と僕は答えた
「タバコを放ってくれないか、僕のレインコートに一本入ってると思うんだ」
「わたしたち最後の一本を一時間前に吸っちゃったじゃない」
そこで僕は窓の外の風景を眺めた、彼女は自分の雑誌を読んだ
大平原に月が昇った
「キャシー、僕は失っちゃったんだ」、彼女が眠っていることを知りながら僕は言った
僕は空虚で心が痛い、だけどなぜだかわからないよ
ニュージャージー高速道路を走る車をひたすら数え続けた
彼らもみなアメリカを探すためにやって来た
みんなアメリカを探すためにやってきた
みんなアメリカを探すためにやってきたんだ
ヒッチハイカーの自分としては、もうこれ以上ないほど憧れの情景です。
旅の陰の部分を非常に上手く表現している。
"Kathy, I'm lost" I said, ―
からの切なくも激しい昂ぶり方が凄い。
これだけのドラマを3分半で表現してしまうポール・サイモンの才能には脱帽です。
余談ですが、ケルアックの『路上』を読む度に、この曲を思い出します。
ぼくはまだアメリカには行った事はないですが、『路上』とこの曲があればアメリカを旅した気分になれるので、なんだかもう行かなくていいかなと思ったり。
頭の中のイメージだけで、結構満足です。
この曲が収録されているアルバム、『Bookends』は本当に素晴らしい名盤。
捨て曲なし、というか、彼らの音楽活動を代表する名曲たちが悉く収録されています。
非常に個人的なことを言うと2曲目のSEは1曲目が静かなだけにびっくりしてしまいます。
静寂を切り裂く目的でしょうから効果は抜群なのですが、なんだか心理的にこの2曲目があるために聴くのをためらってしまったり。
いい曲なんですけど、いつも3曲目の『アメリカ』から聴いてしまうんですよね。
- ブックエンドのテーマ - "Bookends Theme" - 0:32
- わが子の命を救いたまえ - "Save the Life of My Child" - 2:49
- アメリカ - "America" - 3:34
- オーバース - "Overs" - 2:14
- 老人の会話 - "Voices of Old People" (Paul Simon, Art Garfunkel) - 2:09
- 旧友 - "Old Friends" - 2:36
- ブックエンドのテーマ - "Bookends Theme" - 1:16
- フェイキン・イット - "Fakin' It" - 3:14
- パンキーのジレンマ - "Punky's Dilemma" - 2:10
- ミセス・ロビンソン - "Mrs. Robinson" - 4:02
- 冬の散歩道 - "A Hazy Shade of Winter" - 2:17
- 動物園にて - "At the Zoo" - 2:21
さて、ぼくはキャシーのような女性と旅をする日が来るのだろうか。
この曲が理想としてあるために、いつも一人旅という安易な選択肢を選んでしまう自分。この旅情を解してくれる方とお付き合いをしたいものです。。