【芥川賞作家による狂気のパンク】 フェイド・アウト / INU
いわゆるピストルズとかクラッシュのような感じよりは、P.I.Lやニューウェイブ系列に近い音楽性かもしれない。
しかしこの激しさと騒々しさは間違いなくパンクの系譜で語られる音楽である。
1981年発表のINU唯一のオリジナル・アルバム『メシ喰うな』の一曲目。
このジャケットを見たことがある人は多いかもしれない。
独特の文体で芥川賞をはじめ、川端康成文学賞、谷崎潤一郎賞、萩原朔太郎賞など、数々の賞を受賞している。
「言葉」に関する感性の鋭さはINU時代から際立っており、平凡な日常を題材に鋭い洞察力で切り取り、再構築して表現するレベルの高さは抜きんでている。
町蔵はライブパフォーマンスも特筆すべきものがあり、その存在感はまさにジョニーロットンを彷彿とさせる。
バンド全体の演奏技術の高さも恐ろしく高い。
この曲におけるギターフレーズの特異さと難易度の高さは容易に真似できるものではない。
ライブ・バンドとしての激しさは、下記の音源が一番だと思われる。
町蔵の攻撃的なMCに、暴れまわるギター。
音質の悪さも荒々しさの演出に一役買っている。
最後におまけとして、かなり昔のナインティナインの番組を。
町蔵の歌詞制作のコツを面白おかしく捉えた映像。
必見。