メタル界イチの変人、グラハム・ボネットについて軽めに触れようと思う。
『メタル』『ハード・ロック』と聞いた時、
あなたがイメージするのはどのような人物だろうか?
長髪?
革ジャン?
黒づくめ?
入れ墨だらけのスキンヘッド?
常識的にはそんなところだろう。
まさか、アロハシャツでオールバックの男を想像した人はおるまい。
ただ歴史上、そんな恰好を貫き通して第一線で活躍した男がいた。
グラハム・ボネットがその人である。
とにかく声が馬鹿でかい。
4オクターブとも言われる野太いダミ声で、抜群の安定感を持つ歌唱を聴かせてくれる。
ジャズバンドのギタリストをしたり、
ボブ・ディランのカバーでオーストラリアの大スターの座に登りつめたり、
およそ重い音楽とは無縁の生活を送っていた彼。
下の動画の歌唱を聴いたリッチー・ブラックモアが加入を思い立ったらしい。
なるほど、ポップス離れしたパワフルな歌唱である。
前任のロニーがカリスマすぎたこともあり、
リッチーもかなり悩んだことだろう。
実際、勝手にグラハムの悪趣味な服たちを捨てたり、
ワガママで有名なリッチーもだいぶ手こずったようだ(さらに上を行く変わり者だったために途中であきらめたようだが)
レインボー脱退後もなかなか一つの場所に落ち着かず、
加入先の初ライブの最中にステージから抜け出し、飛行機で脱走するとかハチャメチャな伝説も残している。
そのエピソードの目も当てられない真相は下記リンクを参照いただければと。
ただこの人の参加しているアルバムは、なぜか名盤が多い。
曲作りのセンスが良かったという話もある。
耳もよかったようで、
特に当時無名だったイングヴェイ・マルムスティーンを世に送り出したのは最大の功績だろう。
(「バッハ以来、初めて作曲をしたのは俺さ。」発言の人)
まぁそんなこんなで、愛すべき人である。
ぼくは何気にこの界隈のヴォーカリストでは一番聴いている。
腹から声を出すってのが一番わかりやすいヴォーカリストである。