【メロディ・メーカー】 トッド・ラングレンの隠れた名曲 "Love Of The Common Man"
トッド・ラングレンという人は、
何とも形容しがたいアーティストだ。
作品数も膨大かつ音楽性の変化も激しく、
自分ですべての楽器を演奏・録音するマルチ・アーティストの草分けとしても知られ、
プロデュース作もXTCからグランド・ファンクから多岐に渡る。
ヒット作も数多く存在するわけだが、
ここでは比較的地味な、しかしベスト盤をつくる際には外せない名曲を取り上げたい。
前半はビーチボーイズをはじめとするアーティストのコピー(もはや趣味)、
後半に小品が詰め込まれた76年発表の話題作、「誓いの明日(Faithful)」収録。
溢れんばかりのみずみずしさと、
ゆるやかに下降していく哀愁のあるメロディラインが秀逸。
中間のギターソロの構成の見事さはさすがとしか言いようがない。
メロディメーカーとしての才能が余すところなく詰め込まれている。
その後のギターポップ勢に多大な影響を与えたことは想像に難くない。
清涼感あふれるサウンドでコンパクトにまとまっており、
何度でもリピートしたくなってしまう。
個人的には彼のキャリア最高傑作だと思っている。