伝説のライヴとはこういうライヴのことを言うのだろう。 Sly & The Family Stone live at Woodstock (1969)
音質がいいわけでもないし、
演奏が完璧なわけでもない。
でも、生きた人間だけが作り出せる異様な熱気がここには充満している。
黒人白人混合バンドとして幾多の苦難に遭遇した彼らが、
ウッドストックという舞台で本気を出した瞬間が克明に記録されている。
荒れ狂うスネアドラムに、
ねばっこくボトムで存在感を主張し続けるベース。
バンドは圧倒的な音圧を出力し、
ヴォーカルは汗だくで「お前をハイにしたい」と連呼する。
このある意味プリミティブな感情の高ぶりこそ、まさにライヴの醍醐味。
その意味で、
これほどまでにシンプルでパワフルなライヴもなかなかないなと思うわけです。