【特集『'97世代』】 中村一義 / 100s
まだ、大きな無限大が、みんなを待ってる
トンネルを抜けると、今日は、解放記念日だ
『人生を変えたアーティスト』って陳腐な表現ではもったいないくらい、
この【天才】中村一義って人には人生を変えてもらいました。
めちゃくちゃいい方向に。
家庭環境から引きこもって音楽に没頭してた22歳の青年が、突然セルフ・プロデュース&全楽器自録りでデビューし、「桑田佳祐を継ぐ日本語歌詞の使い手」「10年に1人の天才」とまでいわれちゃうという怒涛の展開。
しかも、デビューアルバムの名前が『金字塔』。
なんだこの逸材。
最初に挙げた「ここにいる」は、くるりの岸田繁が発売直後に買ったシングル「犬と猫」のカップリングに入っていて、号泣したという曲。
引きこもりだった中村じゃなきゃ書けなかっただろうし、ここまでの説得力も生まれなかったでしょう。
これがその「犬と猫」。
声もコード進行も展開も歌詞も全部オリジナリティ全開。
最初聴いたときは何がいいのか全然わかりませんでした。
試しにこのサイトで歌詞を読んでみてください。
初見じゃ2割も理解できないですから。
でも、聴いてるうちになんとなく、感覚で捉えられるようになってくるんですよね。
特に耳に残るのが、やっぱりこのフレーズ。
町を背に僕は行く 今じゃワイワイできないんだ
そんで、次の二曲で完全に人生決められちゃいました。
最後の「声高ーい!」が微笑ましい。
ああ、すべてが人並みに、うまく行きますように。
ああ、この幼稚な気持ちが、どうか永遠でありますように。
僕は死ぬように生きていたくはない
公務員試験の追い込みの時期に震災が起き、津波で地元が壊滅。
「あれ?公務員やら大企業に就職して安定した人生送るって、神話じゃん?」
「安全な場所なんて世界中どこにもないし、明日死ぬかもわかんないじゃん?」
「そもそも俺の幸せって何?」
とかいろんな思考がぐるぐるしてる中で、この曲たちがどんだけ支えになってくれたことか。
結果、『明日死んでも後悔のない人生にしよう』と吹っ切れて、就活を一切絶ち、音楽と旅にまみれたフリーター生活へと突入したのでした。
おかげさまで、人並み以上に幸せな人生を送れています。
あんまり書くと宗教じみちゃうんでここで切っておきますが。笑
日本語の力って、やっぱすごいですね。
ってあたりでとどめておきましょう。
最後に、中村一義くんのバンド、100s(ひゃくしきと読む)の中でも特に好きな一曲を。
麻生久美子さん、綺麗です。